高級旅館とは、何が必要になるのかについて3つの要素で考えてみました。

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高級旅館と一言で表しても何が高級旅館なのか分かりにくいと思います。
人によっては高級旅館と思っても、別の人にとっては普通の旅館と思われることがあります。

 

そこで高級旅館とは何かについて考えてみたいと思います。

私が考える高級旅館に必要な要素③つ

高級旅館とは何かと考えてみると、簡単に以下のようになるのではと思います。

  1. 通常の旅館やホテルよりも高いレベルの基準を接客や料理・客室などの旅館業で求められる多くの要素で満たしている宿
  2. 利用者の満足度が高い宿
  3. その宿ならではの魅力が感じられること

 

高級という言葉から想像されるように、旅館業で必要とされるものが一般的な宿よりも上回っていないといけません。
例えば、接客や客室、料理といったものが代表的で、これらが一般的な宿よりも上質なものである必要があります。

 

そして、それがどれだけ求められるのかと言えば、利用者である宿泊者が満足する程度のものです。
満足とは「それで事足りる」という「充分」といった意味ではなく、「事足りる+α」が有ると言え、さらに言えば「宿泊者の予想を良い意味で裏切る」とも言えます。

 

例えば、客室の明かりも間接照明があるほうが光源が直接見えなくなり夜は寝やすいですし、海が見える旅館はテラスのガラスを透明にすると海が見やすくなります。
間接照明は「明かりがある」+「良い空間造り」に関係していますし、テラスの透明のガラスも「安全性」+「景観の良さ」に関係しています。

 

テラス席

これは伊豆の高級旅館「いなとり荘 潮騒倶楽部」の画像ですが、客室からも、またテラスに座りながらも海が見え、さらに隣にある露天風呂からに浸かりながらも海が見える仕組みになっています。
海を楽しみにする宿泊者は、このような空間造りがされている旅館では「海が見える(事足りる)」+「部屋+テラス+露天風呂からも海が見える(+α)」となり満足しやすいのです。

 

もしこの旅館が透明のガラスで無かったら魅力が減っていたとも考えられます。
海が目の前にあることから海の眺めを楽しみしている人が多いでしょうから、海を見るという条件を満たしても、それ以上の満足には繋がらないかもしれません。

 

海が見える立地を最大限に活かしたデザインが利用者に満足感を与えています。
このように一見すると気がつきにくい事柄ですが、ちょっと工夫するだけで利用者の満足度は上がります。

 

 

もう1つその宿ならではの魅力があることも高級旅館の必要な要素かと思います。

それには

  • 歴史がありかつての偉人が多く宿泊し、ゆかりの品が残っている
  • 地場産品を味わうことやその土地ならではの風土を感じることができる

というものが考えられます。

 

 

これも先ほどのような特別な体験(+α)とも言うことができますが、どちらかというと「感動・発見・興味」というほうが的確かもしれません。

 

先ほどの満足度については「利用者の無意識の部分」つまり、利用者が気がつかない部分の工夫です。
しかし、その宿ならではの魅力は「利用者に意識させること」が重要だと思います。

 

 

例えば、伊豆には稲取という温泉地がありますが、この周辺の宿では「金目鯛の煮付け」が必ずと言って良いほど料理のメニューに入っています。
ここで仲居さんが金目鯛を用意される時に「稲取の金目は他の千葉勝浦、神奈川三崎の地域と比べて脂の含有量が多いことが水産研究所の調査によって判明しています。旬は6月ですから梅雨の時期に最も脂が乗った金目が楽しめます」と言うだけでこの宿の印象は変わります。

 

「この仲居さんはその土地のことをよく知っているなぁ」と感じますし、「稲取の金目はだからブランドなんだ」「今度は6月の旬の金目鯛を食べてみたい」と思うでしょう。
宿泊客としては美味しく食べられれば満足ですが、この知的好奇心を刺激するような情報があるとそれが特別な体験になるのです。

 

高級旅館では、この「+α」も素晴らしいと感じます。
ただ快適でゆっくりと過ごせるだけではなく、人の知的好奇心を満たしてくれる情報が多いです。

 

この情報とは、先ほどの例の金目鯛の煮付けのような「言葉」もそうですし、朝の目覚めに「おめざ」を用意してくれる「物」の情報もそうですし、見送りについての所作のように「視覚」の情報もそうです。

 

人は食べて寝れば生きていけますが、知的好奇心を刺激する情報もまた日々の生活を豊かにしていく上で必要だと思います。
それが高級旅館に行くと多く感じられます。

 

 

このように高級旅館には3つの要素が最低でも必要なのではないかと思います。
「気持ちよく過ごせた」「快適だった」というように「十分要件」を満たせばそれだけで立派な宿だと思いますが、「この宿だからこそ泊まりたい」というように利用者に別の満足感を与えることが必要だと思います。

 

そのためには「旅館に必要な基礎的な要素のレベルが高い」「細かな工夫がされている」ことを基礎として、利用者の方の知的好奇心を刺激できる体験が有ることが必要だと感じます。

 

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