昔の伊豆の民話には天狗と河津七滝の話があります。
河津七滝と天狗
むかしのこと、伊豆には万太郎・万次郎・万三郎という三人兄弟の天狗がいた。
万太郎は西伊豆の達磨山、万次郎は天城の万次郎岳、万三郎は万三郎岳に住んでいた。
万三郎は八丁池を持っており、万三郎の妻は八丁池で洗濯をしていた。
ある時、洗濯をしている時に、7つの頭を持った大蛇が万三郎の妻を食べようと近寄って来た。
それに気がついた万三郎の妻は万三郎に「助け」を呼んだ。
万三郎は駆けつけるとすぐに大蛇に剣を抜いて戦おうとしたところ、大蛇はおそれをなして林に消えていった。
万三郎は大蛇が後日戻ってくるだろうと思い、兄の万太郎・万次郎と話し合い、八丁池に強い酒を満たした樽を7つ置いておくことにした。
後日、大蛇が現れると、すぐにこの樽を見つけて大蛇は7つの樽の酒を飲み干してしまった。
酒に酔ってしまった大蛇を見ると、万次郎・万三郎は刀を持って大蛇を切り刻んだ。
大蛇は倒され、八丁池は大蛇の血で赤く染まり、この時の7つの樽はこの3兄弟によって河津川に流されると、後に河津七滝の滝壺になったという。
伊豆のその他の大蛇伝説
伊豆では大蛇や蛇に関する民話が多く残っており、この舞台になった天城の西にある小杉原という地区では、かつて大蛇が2人の甲斐の娘によって倒された伝説が残ります。
また下田稲梓より西へ行くと、蛇石峠があり、ここの南には「蛇石」という蛇の形をした石が残っています。
ここ伊豆の山深い地域には、かつてより蛇に関する民話が多く残っています。
河津の七滝へ行ってみよう
河津七滝は下田街道へ行くと訪れることができます。
東京からも近い場所ですから、ぜひとも行ってみましょう。