民話:かっぱの瓶 〜河津谷津のかっぱが命を助けてもらった和尚さんにお礼の瓶を渡した昔話〜

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河津の谷津にはかっぱの瓶の民話が残ります。

 

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かっぱの瓶(かめ)

むかしのこと、谷津を流れている河津川には河童が住んでいた。
その河童はしばしば村人に悪さをしており、何かが起こると村では「河童のしわざ」とわかるほどでした。

 

田植えのさかりの時期になった頃、この日は栖足寺の田植えの日でした。
牛馬をつかい、苗を植え、ようやく田植えが終わりました。

 

男たちは河原で牛馬についた泥や鍬や鋤などの道具を洗っていると、一頭の馬が驚いたように岸へとあがってきました。
よくみると馬の尻尾には河童がぶら下がっています。

 

男たちは驚きながら河童を取り囲むと、河童も逃げ場を無くしてしまい、ブルブルと震えています。
男たちは普段から悪さをする河童を懲らしめようと思ったところ、和尚が近づいてきました。

 

和尚は「田植えの終わった目出度い日に殺生なことはやめてくだされ、どうか勘弁してくださらぬか」と言うと、男たちはおさまった。
和尚「悪さをやめ、どこか遠くへ行くと良い」というと、河童は跳ねながら川へ帰っていきました。

 

その夜、雨戸を叩く音が聞こえると、和尚は「だれであろうか」と不思議に思いました。
雨戸を開けてみると、庭の踏み石に小さな影だけがたたずんでいました。

 

「私は今日助けてもらった河童でございます」
和尚「そうかそうか、どのようなようで」
河童「和尚さんの言いつけに従って、遠くへ行きます。その前にお礼とこの瓶を差し上げたくまいりました。この瓶にお茶を入れておくと、香りが消えません。また瓶からはかすかに水の音が聞こえます」

 

河童がそういうと瓶を渡して暗闇に消えてしまった。
和尚は「悪さをはたらく河童ともいえ、情けや恩を忘れぬものだな」と思いました。

 

和尚は眠りに入ろうとするとどこからか水の音が聞こえます。
不思議に思った和尚は、ふと瓶のことを思い出し、瓶に耳を当ててみると瓶の中から、河津川のようなよく澄んだ水が流れる音が聞こえるのでした。

 

和尚はすぐにこの話を男たちに話したところ、たちまち広く伝わり、多くの人がこの瓶の水音を聞きにやってきました。
多くの人はこの瓶に耳をあてて、澄んだ水の音を聞いたのでした。

 

この後、瓶は寺の宝として大切に保管されたとのことでした。
この瓶には「祖母懐」というしるしがあるようとのこと。

 

 

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本当に河津には「かっぱの寺」と「瓶」がある

ここ河津には河童のお寺として有名な栖足寺があります。
そして、そこには本当に瓶が置いてあります。

⇒ 河津の「かっぱの寺 栖足寺」

 

 

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河津近くの伊豆の伝説

ここ河津から近い天城七滝には伊豆の伝説があります。
ここに居た大蛇を天狗が七つの樽を使って退治し、その樽を流した場所を河津七滝というようになったという話です。

 

⇒ 伊豆の伝説:天城の七滝 〜河津七滝の由来は3人の兄弟天狗〜

 

 

伊豆
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