今でも人気が高いジブリ作品がなぜあれほど人気があるのかを考えてみると『主人公の真っ直ぐな性格』にあるのではないかと私は思います。
言い換えれば『芯のある性格』とも言えます。
もちろん世界観も独自のもので人気がありますね。
特に千と千尋の神隠しはモデルになった場所はありますが、何をモデルにしたのかといえばよくわかりません。
最近人気のある大ヒット映画(名前は伏せます)は古典にある「とりかえばや物語」のように何かモデルのようなものが思い浮かぶわけですが、ジブリはやや特殊な気がします。
話を戻すと、ジブリのキャラクター特に女性主人公には共通点があり、みな「真っ直ぐで純真で意志」があります。
私はあの『意志』が実は非常に大事なことなのではないかと思うわけです。
例えば、千と千尋の神隠しでは、顔無しが千に金を渡す有名なシーン。
これは千が首を横に振って断ったシーンです。
魔女の宅急便でもトンボという少年を助けるためにホウキではなく、操りにくいステッキブラシで助けに行きました。
この両方のシーンは両者の「意志」が現れているシーンです。
このように『キャラクターの意志』が各場面でポイントとして描写されています。
こういったキャラクター像が現代、もしくはいつの時代でも求められる魅力があるのではないかと思うわけです。
よく考えてみると、もののけ姫の「アシタカ」や耳をすませばの「天澤聖司」など男性のキャラクターもそれぞれが強い意志を持った人間だといえます。
現代では、こういった率直で純粋な性格をした人間と言うのは少ないでしょう。
また個人が確固たる意志を持つことも難しい現状があります。
だから、こういったキャラクター像が今の私達にとって魅力的に映るのでしょう。
それが私達の胸に突き刺さるのは、私達が無意識の部分でそれを自覚しているからです。
他にも宮崎駿のジブリにはところどころ主張らしきものが目立ちます。
例えば、平成たぬき合戦ポンポコやもののけ姫のように自然環境に対する主張があります。
それと同じようにキャラクター像にも様々な作品で共通点があることを考えれば、それは単に作者のキャラクター像の好みではなく、現代への主張があるのではないかと私は思います。
ジブリは未だにロードショーで放映される映画ですが、それはただ単にその時の時流に乗った作品だからではなく、人の本質に触れるものがあったからだといえます。
だからこそ、時代が変わっても(昭和から平成になっても)これだけ人気を維持しているわけです。
関連記事:「耳をすませば」の舞台となった聖蹟桜ヶ丘巡りとタイトルの理由の考察と感想
コメント